• ◎ 4年待ったゲーム。「ラフレーサー」が遂に動きました。

ホントに感無量。 4年ぐらい待ちました。

基板全景 タイトル画面 このゲーム知ってる人居るのかな

■ラフレーサー (1990 SEGA [SYSTEM24])

1990年に出たセガの見下ろし型カーレースゲーム。
ホットロッドの大型筐体にそのまま入れることも出来たらしい。
操作はホットロッド同様のハンドル+アクセル+ボタンか
テーブル筐体用としてパドルコントローラー+2ボタンのどちらかでプレイ可能。

ゲームのルールは
見下ろし型のコースを4周走り、ゴールした瞬間に順位が確定する。
白い車よりも後方に居るときにほかの誰か(または白い車)にゴールされるとゲームオーバー。
白い車よりも前方に居れば次のステージには進める。
(後に「エスケープキッズ」でもこのルールは採用されている)

ゴールして得られる賞金で毎回レース前に出てくるパーツショップで
タイヤ(グリップ力UP)・シールド(敵のニトロで飛びにくくなる)・ニトロ(一瞬スピードアップ)を
お財布と相談しつつチューンアップさせていく。
最終的には全レースクリアすれば終了…なんだったっけか?
(まだクリアしてないのでその辺良くわかりませんが)

~ここから先は基板の話~

とにかく家にこの環境を作るまでにはものすごい労力とお金がかかった…
どの基板よりも再現条件が難しい三重苦で揃うのに4年はかかりました。

[1]操作形態

まず、操作携帯が特殊なため、専用のコンパネが必要なところから始まる。
基板を手に入れてもパドルコントローラーが無い限りには動かないという。
あと基板を部品ごとに手に入れるなら、コントロール用のボード(834-6510-01)も別途必要。
クラックダウンやらゲイングランドが動いているような環境でもそう簡単には動かせてくれない。

[2]メイン基板(SYSTEM24)とその構成

メインで使用している基板というのがこれまた特殊で、
SYSTEM24という垂直同期周波数24khzの画面解像度で作られている。
15khzのほかのゲームよりも細かい線や絵が描けるのが特徴。

だが一般のテレビやプロフィールプロなどの15khzを出せる業務用モニターとか
アップスキャンコンバーターは基本的に15khzのモノを出すために作っているため、
このゲームを画面に出すことはほぼ不可能。
24khzが出力できるごく一部の(古い)PCモニターか、業務用RGBモニター(ゲーセンのヤツ)
のみ出力可能という問題点がある。
我が家のモニター(CU-21HD)は15khz・24khz・31khzが出力できるため余裕の対応。

ゲイングランドをやりたいという人はこの辺よく注意したほうがイイと思いますよ。
しかもアレは縦モニターなのでさらに大変だと思います。
一番早いのはむき出しの業務用RGBモニターを手に入れることですが、
慣れない人が触ると数万ボルトの電流で感電する要素が満点なのでうかつに買わないほうが吉です。

そしてSYSTEM24の初期のころのゲームの特徴として多いのがこのフロッピーディスクドライブ様ですよ。

SYSTEM24 FDD

SYSTEM24基板の下のほうにボードをくっつけて、そこからFDDを取り付けるという仕様。
実はこのラフレーサーのゲーム自体はROMチップではなく、このFDDの中に入っています。
ゆえにゲーム中は延々とFDDが回りっぱなし。
(ゲーム中もロードしまくってるためロードでゲームが止まったりはしません)
ここがSYSTEM24基板のもの凄く特殊なところですね。

で、このFDDのゲームへのアクセスを牛耳っているチップがコイツだったりするのですが。
FD-1094チップというヤツです。

にっくき悩みの種FD-1094チップ

コイツ実は内部に電池を持っていて
その電池が切れるとアウトというとんでもないチップだったりします。
しかも電池交換すればいいんじゃね?という話かと思いきや
電池が切れた瞬間にこのチップは死亡するらしく、電池を換えても予後不良となるそうです。

なので環境を揃えても肝心の電池が死んだ場合はこのゲームは一切遊べなくなります。
厄いことこの上ないですね。

まとめると、ラフレーサーを楽しむには全部で以下の環境が必要になります。

●垂直同期周波数24khzが出力できるモニター
●パドルコントローラーと2ボタンのコントロールパネル
●SYSTEM24マザー基板とフロッピーディスクドライブ
●電池がまだ生きているFD-1094チップ(317-0058-06B)
●ラフレーサーのフロッピー

結論:めんどくさいからやりたいだけの人はエ●ュでやったほうがイイ(身も蓋も無い)

…普通のアーケード基板はこんなに大変じゃーないんですがね(笑

~ここから苦労話~

ラフレーサーを最初に見かけたのはオークションでジャンクで売られていたチップ(FD-1094)が最初だったかな。
FD-1094チップとパドルコントローラー(操作部分のみ)を落札。

ほぼ同時期にSYSTEM24のマザー基板がクイズゲーと一緒に売られていたので
マザーさえ手に入れればあとはフロッピーだけだなぁとか思っておりました。
フロッピーもちょっと特殊なルートからゲットすることが出来、
ようやく遊べる!!と意気込んだのがおよそ2年前。

電源入れて最初の画面(著作権表示)でゲームが止まりました。

ほかのクイズゲーと比較すると、どうもセキュリティチップのFD-1094の電池が死んでいる様子。
セキュリティ情報が読み込めないため、WARNING表記で止まるようです。

なんたることかと。
パネルもFDもすべてかき集めたのに、電源入れて写って喜んだのもつかの間
ゲーム自体は読み込まれずにそのままフリーズという泣きたくなるような事態に。

この状態のまま、ラフレーサーは日の目を見ず2年ぐらい眠ってました。

そんな中先月久々にオークションを見ていたらなんとヤツが出品されている!!
チップの生存がもの凄く気になるところでしたが画面写真が出ているので、生存はほぼ確定!!
ということで落札→到着→配置→動いたよ!!ヽ( ゚∀゚)ノ となった次第であります。

電池切れが凄く怖いけど、大切にしていこうと思います。
16年前のさいかデパート(函館ローカル)の屋上階を思い出しつつ
いつまでも忘れないように。


COMMENTS
    L-G

    初めて書き込みます。昔からこのゲームがやりたくてタイトルを失念していて、探していたのですが名前がわかりうれしかったです。当方も基板使いですが、かなりめんどくさい使用ですねぇ。エミュは使いたくないが、ここまで導入が厳しいと悩みますね。

    k-two

    >L-Gさん
    初めまして!コメントありがとうございます!(返信遅くなってすいません)
    自分も子供のときにこのゲームに無性にハマッて覚えていたクチで
    基板生活を送るようになってからかなり長い期間を経て探してきました。
    障壁が非常に多く、どれも非常に入手困難なので基板環境をお持ちでも
    かなり遊ぶまでに時間とかお金とかが必要な基板だと思います。

    エミュについては暴論ではありますが、基板持っている人間からぶっちゃけ言わせていただきますと
    エミュで出来るならホントにエミュで済ませた方がイイと思います。
    こういう今では入手も困難なアーケードゲームを手軽に楽しめるミュージアム的な要素ってのが
    M.A.M.E.の存在意義というか本質だと思うんですよね。

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